
はじめに
忙しい気力が出ないと言い訳し続けてもしょうがないので、何とか頑張って更新している。しかし他にやりたいことが全然出来ていない…創作とかデータベースページの改築とか…
それはさておき、一昨年くらいから春のプリキュア・冬のライダーの映画が廃止になったことでめっきり毎年の映画見に行く本数が減っているが、久々に映画館に行ってきました。

本作は、2015年に放送された「アイカツ!」の第3期「あかりジェネレーション」の10周年を記念して制作された総集編映画となる。
「アイカツ!シリーズ」のアニメ展開は2021年の「アイカツプラネット!」で終焉となり、現在はYoutubeでVtuberによる配信活動を中心とした「アイカツアカデミー」というプロジェクトに路線が大幅に変更されている。
一方で、去年の11月にあの傑作映画「劇場版アイカツ!」が再上映されたことをはじめ、10周年記念という名目で細々とアニメ展開は続いている。同時期には「あかりジェネレーション」10周年記念イベントも行われ自分はそれにも参加した。
自分にとって20代の青春を象徴するシリーズであるため非常に思い入れが深い作品の映画化であり、見に行くのは必然でしかなく、楽しみでしかなかった。
観劇前の様子
公開2日目にして上映回数が1日2回だけと、新作ではないため比較的消極的な上映規模であるが、自分の見た回の席は7割くらいは埋まっていた。本シリーズは女児向けアニメではあるが女児は皆無で、10年前女児だったが成長して今でもアイカツが好きであるという女性が圧倒的大多数だったイメージ。自分は10年前もすでに成人していたが心は女児のつもり
余談だが、本編の前に今年の秋に公開予定の「アイカツ!×プリパラ」の映画の予告編が流れた時は歓喜の声が上がっていた。自分も気持ちは同じだったが声は抑えていた

入場者特典は復刻版アイカツカード。オリジナルのカードは、本作の題材であるユニットカップの時期の弾である2015年の第5弾収録のノーマルコーデのユニットドレスのワンピースだ。
ちなみにノーマルなので当時2~30枚近くダブった思い出のカードでもある(!?)
現在このアイカツカードが使える場所が全国で3カ所あるのも、一時期の衰退期からすれば信じられないような話だったりする。その辺りの話は以前「雑記」でも軽く触れているのでそちらを参照。
仕様
総集編映画である本作は、次のような構成で描かれていた。
第140話「アイカツレストラン」
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掛け合いパート(完全新規)
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OP「Lovely Party Collection」(全画面表示・タイトルロゴ変更・ノンクレジット)
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第136話「その名も、あまふわ☆なでしこ」
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第137話「ワクワク☆ユニットカップ」
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第138話「素顔の輝き☆」
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ED「チュチュ・バレリーナ」
(エンドロール仕様につき映像は左側に小さく写され、右側にテレビアニメ版のオリジナルのスタッフロール)
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映画のエンドロール
(本作のスタッフロール・掛け合いあり)
・アニメ本編のパートはテレビアニメ版にあったアイキャッチはなし。
よって、テレビアニメ版におけるA→Bパート移行する際の前後のシーン及び次話のシーンに切り替わる時は、一瞬ブツ切れになってしまっている。
・掛け合いパートは完全新規のボイスドラマで、あかり・珠璃・まどか・スミレの4人で会話を展開する。
ひなきと凛がいないのは中の人のスケジュールの都合だろうか?残念無念
個人的には「テイルズオブシリーズ」のスキットチャットが最もイメージが近いパートだが、一部シーンにMADのようなアニメ本編のシーンを流用して会話を展開するシーンもある。
感想
先に一番伝えたいこととしては、本作は新作カットや新曲のライブといったものは一切存在しない。
あくまで総集編映画なので当然ではあるが、そういうサプライズを期待しているのであればおすすめはしない。
掛け合いパートも、スターライトのステージであかり達が会話をしていると本人たちが説明しているのに対して、映像の流用シーンはスターライトの食堂で会話してるシーンを使っていたりと非常に不自然。言葉は悪いが安上がりで作っている映像の印象を受けた。
また、これまでのあらすじ紹介もないため、第135話までの内容をしっかり理解している人間に向けた内容となっている。
特に、交換留学生であるここねとみやびが何者なのかが本作だけでは分かりづらく、ここねの交換留学相手であるユウもユニットカップに戻ってきたという台詞があるが、仮に本作が初見であれば全く意味の理解できないシーンとなっていたりする(二人の留学の話をしているのは本作で取り扱われていない第135話の内容であるため)。
評価したいポイントとしては、自分は第135話のここねの交換留学から第138話までを順当に描いていくと予想していたが、初っ端から第140話のアイカツレストランを持ち込んできて見事に意表を突かれた。確かにユニットカップに関わった8人全員が出演するエピソードではあるが、本筋には関係ないエピソードであり採用されるとは思っていなかったからだ。
また、新規の掛け合いパートは非常に安上がりな映像ではあるが、本編では描かれなかった第140話の裏話がまどかや珠璃の口から語られる。
放送当時は二次創作に熱中していただけに、本作の裏設定が大好きな自分としてはこういう裏話には非常に弱いので好印象。
そして、本来生徒以外の一般人の入場を禁止しているスターライト学園だが、本作では限定的に一般人の入場を許可してライブステージに一般人が集まったうえで本作の映像を上映している…という設定の元で会話をしている。つまり、映画の視聴者全員が本作の登場人物のような形になっている。自分は当時のデータカードダスのマイキャラを使って本作の登場人物になりたい願望が強かったほどなので、あかりの口から説明された時は嬉しくなってしまったほどだ。
本編に関しては、特筆して語りたいことはあまりない。
前述通り新規のシーンは掛け合い以外全くないため、テレビアニメ版のBDBOXを所持して何十回と見続けてきた自分にとってはこれといった新鮮さはなかった。
ただ、何十回同じ話を見ていても「面白い」と感じられるのが自分にとっての「アイカツ!」という作品だ。
自分はどちらかと言うと浅く広くアニメに触れていくタイプの人間であり、好きだからと同じ作品を何度も見ることは稀だったりする。その上で何十回も周回している映像を映画館という特別な空間で見ているというだけで「面白い」と思えた事実だけで自分は本作を高く評価してしまっている。
ただ、良くも悪くも完全に昔のファン特化の作品である。これは2023年公開の「未来へのSTARWAY」から細々と続いている本シリーズの映像作品全体に言えることでもあり、そういう路線で舵を切って新規さんお断りな作品として割り切っているため、自分のようなファンに向けた一本としての満足度は高いこと間違いなしだった。
余談だが、本作で取り扱われたエピソードである第136~138・140話の当時の放送日は下記のようになっている。
第136話「その名も、あまふわ☆なでしこ」 2015年6月4日
第137話「ワクワク☆ユニットカップ」 2015年6月11日
第138話「素顔の輝き☆」 2015年6月18日
第140話「アイカツレストラン」 2015年7月2日
本作の上映日開始は2025年6月20日。そう、第140話を除いてちょうど10周年直後での上映となっているのだ。
これは確実に狙ったうえでの上映日なんだろうと終わった後になって気づいた。
更に余談なのだが。自分が「データカードダスアイカツ!」を遊び始めたのはこのユニットカップを題材として2015年5月28日から稼働となった2015年第5弾からだった(年表にも2015年6月ごろにはじめたと記載している)。つまり、自分がデータカードダスをはじめて丸10年経過していることにもなる。もうあれからそれだけの期間が経過したのかという感慨深い気持ちになってしまった。
本作はそういった懐かしい・あの時大好きだったアイカツをまた振り返るきっかけになったという意味で、非常に満足の行く内容となっていた。
願わくば、このメモリアルステージがシリーズ化して展開していってほしいと願っている。順当に行くならば、来年が「アイカツスターズ!」10周年であるため、こちらにシフトしていくと予想するが果たしてどうなるか。
アニメは過去の作品となりつつあるものの、細々と続いているアイカツシリーズ。
今後の動向も自分は楽しみでしょうがない。